教員という職業

2018-05-28 14:24:34

 私は専門学校で教員という立場で給料をもらっています。

 そこでいつも思っているのは、申し訳ないという気持ちです。

 IT系の専門学校では、資格取得が重視されます。
 一般の人でも、専門学校が資格を取らせるのは当たり前だと思うでしょう。
 私はそうは思っていません。
 なぜなら、ぶっちゃけ資格など不要だからです。
 IT系の資格は業務独占資格ではないので、取得の必然性が無いのです。

 専門学校が資格を取らせるのは、目標設定とその筋道が簡単で明確だからです。
 そして取得した資格を引っさげて、就職活動に臨むわけです。
 資格はそれなりに勉強してきたという証明にはなるのです。
 別にそれは悪いことではありません。

 ただ、就職活動するのなら、いくつかの資格よりも、
 こういうアプリを作った、こういうシステムを作った、
 それをドコドコで公開しているといった方が、よっぽど説得力があります。
 そこまで持って行けない教務力の限界、だから専門学校は資格と取らせるのです。

 出題範囲が限定されている上に、過去問が確認し放題なIT系の資格というのは、
 合格点から逆算して、足りない部分を洗い出せば、
 最低限の基礎学力とやる気、それだけで合格できるのです。

 私の仕事は資格取得では無く、高学年の技術教育の担当です。
 初年度で資格取得のために詰め込み教育を受けた学生をその後引き受ける形になっています。
 彼らがその後どうなるのか。
 ほとんどの学生はこうなります。
 口を開けて、ただ餌を運んできてくれるのを待つ人間に。

 もはやその状態では、高度な技術を伝える状況にはありません。
 ただ何となく、こういうことも出来るよという切っ掛けを作るのみです。
 その結果、初歩的な内容を何度もなぞるような、発展性の薄い授業となってしまうのです。
 恐ろしいことに、そんな内容であるにもかかわらず、苦情を言ってくるどころか、
 もっと高度なことを教えてくれという声が全く上がらないのです。

 ただ、もしそういう学生がいたとすると、教えてくれなんて言わないでしょう。
 自分で勝手にやりたいことをやって、せいぜい行き詰まったときに助言を求めてくるぐらいになると思います。